2018年08月06日

犯罪現場に残したタバコの吸い殻からも推定可能

 2017年9月5日、浜野専門研究員は、英科学誌『Scientific Reports 』に「メチル化に敏感な『高分解能融解法』を用いた唾液試料の法医学年齢予測:身元確認のための2者間血縁鑑定ツールの開発」という長いタイトルの論文を発表した。歯科電解研磨機

 DNAは、複雑な生体を形成する「メチル化」という仕組みを持っている。DNAによく見られる「メチル化」は、CG(シトシン、グアニン)の塩基配列が集中する「CpG アイランド」と呼ぶ塩基配列の炭素原子にメチル基(-CH3)が付く化学反応をいう。つまり、DNAの「メチル化」と呼ぶ化学反応が起きると、年齢によってDNAの「CpG アイランド」の塩基配列にメチル化率の違い生じる。

 浜野専門研究員は、DNAが人か動物かを見分ける時に使う『高分解能融解法』という技術を活用し、DNAの「CpG アイランド」の構造を高温下で分離し、簡便にメチル化率の違いを測定することに成功した。歯面清掃用ハンドピース

 やや難解な手法だが、真犯人が犯罪現場に残したタバコの吸い殻に付着した唾液や血液のサンプルを分析するだけで、真犯人の年齢を推定できるのだ。固唾を呑むような唐突な手法だが、一旦吐いた唾は呑めないし、タバコのフィルターについた唾液は誰も消せない。遺留している血液にも応用できるのは心強い。

 ちなみに、浜野専門研究員は広島県出身。テレビドラマ「科捜研の女」を見て科学捜査に興味を抱き、東京大学大学院を修了後、2012年に京都府警に採用された。

 科捜研では主にDNA型鑑定に携わりつつ、2013年から勤務時間外に京都大学大学院・法医学講座で研究を続け、今年3月に京都大学の医学博士号を取得。保護した野生動物の年齢を解析する共同研究にも携わっている。

 さて、犯行に及ぶ真犯人は、迂闊にも唾液、血液、毛髪、皮膚、精液など様々な痕跡を残して犯行現場を去る。犯罪に触手を動かすのも人間なら、悪行を決して見過ごさないのも人間の英知だ。

 天も唾液も血液も真犯人を突き止める手を片時も緩めはしない。結論は一つ。「科学は決して嘘をつかない!」ではないか。

http://1137.jp/post/entry/13662


Posted by oeney at 15:46│Comments(0)
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